シャドウ

シャドウ
著者 道尾秀介

 本編の後の解説まで読んだ。それを読んでわかったことだが、道尾作品は過去に1冊だけ読んだことがあった。それは「向日葵の咲かない夏」だ。読書を始めた時に友達から借りた大量の本の中にあったのだ。このブログに感想書いたかは覚えてないが...やっぱ書いてないね。




  • シャドウ(ネタばれほぼなし)


 誰が主人公かわからず、たぶん二人のうちのどちらかなんだけど、自分は小学生の方が主人公になるのかなと思った。でもそんなことはどうでも良くて、小学生が主人公ととらえると、雰囲気は「向日葵の−」に似ている。子ども目線というところ以外にも共通点があるように感じた。

 ストーリーは、少し暗めなミステリー。暗めといっても人の死がからんだり、過去の話が少し暗い程度。読んだ人の心まで暗くなることはない。あと、解説にも書いてあったけど、ミステリーミステリーしてなくて読みやすい。ミステリーミステリーしてると、ココが怪しい、とか神経質に読み過ぎる節があるようだが、そんなことはなかった。

 いつもなんとなく、こんな展開かな?と思いながら読んでいくんだけど、この小説でも何パターンかの展開を予測していた。まだ1つに絞り込めない点が読書素人なのだと思う。
 中盤になって、ある程度、予測はしているものの、はっ!とする展開があった。予測はしていたけど、はっ!としたのだ。ここポイント。
 これで終わりだと普通の面白い小説で終わるだろう。しかし、終盤にもう1展開あったのだ。そこの、はっ!具合はそこまで大きくはなかったのだが、自分は全く予想していなかった、かつ実にシンプルな展開だったので、あーこういうのを求めていたんだよ、と。

 世界観についても、これは現実世界の話で、向日葵の−は少し変わった世界観だったけに、シャドウの方が好きだ。SFとか現実離れとか、この世界とかけ離れている話は集中して読むことができないのだ。
 人物の言動についての描き方も好きだ。重要な場面で、なんでそんなことするんだよ、とか、そんな上手くいくわけねーよ、とか思うことがあると少し萎えるタイプなんだけど、そんなこともなく、飲み込みやすい納得のいく言動が多かった。この点も集中して読むことができた理由だろう。



 よくわからんレビューだけど、おもしろかった。読んで良かった。AVソムリエに感謝。

 そして、今日からまた道尾作品読んでる。